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来夢の部屋は綺麗に整頓されていました。
「こっち来ないの?」
ベッドに腰かけた来夢の低くて甘い声に、私は顔を背けました。恥ずかしくて、来夢の顔を見ることができなかったのです。来夢がペットを呼ぶように膝をポンポンと叩くものですから、私は俯いたままベッドに近付き、手を引かれるまま来夢の上に乗りました。じんわりと来夢から良い匂いがして、頭がくらくらしてきた私は来夢の首筋をちろちろ舐めていました。
「ごしゅじん……私をご主人様の性奴隷にしてください」
「いいよ。あーあ、彼氏いるのに最低だね」
「夕方から勉強会で会うから大丈夫です」
「うわ、俺の匂いつけて会うとかバレる気満々だろ」
「純粋すぎて手を出してこないからバレないんじゃないかな~って」
「はははっ! ご開帳~」
私の顔は恍惚としていたことでしょう。一日は長いです。まして、大学入学まで二カ月もありました。二回目、三回目、来夢と会っている間は寂しくありませんでした。
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