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やってしまった…。
今私は白いマルチーズのリードを引いている。
「ほら先輩、きちんと見てあげて。お外慣れてないからきちんと見てないと危ないよ。」
隣には後輩を連れて。
何でこうなったかというと、御子柴くんの提案はこうだった。
「ごめん、言っている意味が分からないんだけど」
「だから、この子も先輩の事好きみたいだし、うまくお世話出来ない時は俺も一緒に見ます。せっかくご主人様が見つかったこの子には幸せで暮らしてほしいし、俺と先輩の中ならそう言うのもありでしょ」
「え、ええ、手厚い…。」
「ね、この子お持ち帰りしてあげて。」
なんて後輩からもキラキラした目でお願いされたのと後押しもあって本当に今連れ帰ってしまっている。
そしてそんな後輩はもう上がりだからと言いながら今私の家までの帰路を共にしている。
こんなおかしな状況普通無い。
「ワクチン接種はもう3回住んでる子だから、毎年1年に1回かならず狂犬病ワクチンは受けに行かせてね。さっき紙に書いたけどこの子はそのワクチンもつい先日終わってるから」
「はい…。」
そんな説明を聞くけど何も話が入ってこない。
この調子じゃどっちが先輩でどっちが後輩なんだか。
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