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家に着くと、御子柴くんは先程買った物を組み立てたりしてくれた。
私はひたすらマルと戯れていただけなんだけど…。
「俺がやるので先輩は休んでてください」
なんて言われて甘えてしまった。
高校の時は甘え上手で可愛い部分が目立ってたけど、あんなに背中も逞しくなって、頼りがいのある男の人になったんだなと感じた。
本当1年ぐらいしか関わりが無かったけどこんな所で再会して一緒に犬を連れ帰ってるなんて変な感じだ。
真剣な表情でマルの環境設備を整えてくれている。
まさかペットショップで働いてるなんて似合いすぎでしょ。
「長いの?ペットショップで働いて。」
「高校卒業して3年専門学校通って資格取ってなので、今3年目ですかね。」
「意外だったかも、何か」
「うち実家でも犬飼ってて、動物好きで何となくそっちの学校に進んでからは、気付いたらペットショップで働いてましたね。てか、先輩がいつ帰ってきてたかの方が気になるんですけど」
そう話を振られて苦笑いする。
確かに連絡を取り合う仲でもなかったからお互いの状況を知らなくて当然だ。
「大学通って、就職の時地元に帰ってきた。今は一般企業のただの事務だけど」
「そうなんですね、てか、先輩彼氏とかは?俺上がって大丈夫?」
「居たらマルのお世話なんて一緒に頼まないよ」
「それも、そうっすね。…そっか、彼氏居ないんだ。良かった…。」
「何か言った?」
「いいえ、何も。」
それもそうっすね。の後がよく聞こえなくて聞き返したけど、笑顔ではぐらかされて首を傾げる。
何か言ってた気するんだけど気のせいだったのかな。
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