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Prologue
仕事帰り、なんとなく立ち寄ったペットショップで一目惚れをした。
この白くてフワフワの生き物マルチーズに。
目が離せなくなって思わず中に入ってショーケースに入っているわんこをずっと眺めてしまっている。
衝動買いするには大きな買い物だし、自分の今の家で育てられるのかなど色々考えてしまって中々簡単に飼いますなんて訳にはいかなかった。
うちのマンションはペット可だ。
広さもそこそこあるし独り身の私がずっとあそこに住むのは広すぎると思っていたし、金銭的にも26にもなれば落ち着いているので全く問題は無い。
毎日散歩に連れて行ってご飯を食べさせて…。
そんな知識量しかない私が一目ぼれしたからと言って飼ってもいいのかかなり悩んでしまっていた。
でもこの子すごく可愛いから他の誰かの子になってしまう。
それはそれでだな…。
ショーケースの前でずっと唸っていると「抱っこしてみますか?」と話し掛けられてしまった。
抱っこしたらそんなの100飼っちゃうよ…!
断ろうと思って声の方を見た時…。
「え、先輩?」
「…御子柴くん」
その見た事ある店員は私の高校の時の後輩、御子柴 遊里くんだった。
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