恋していいのは勉強中!

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 私の、「超」がつくほど苦手な授業が今始まろうとする。3時間目のチャイムが鳴り、日直が号令をかける。 「起立。気をつけ。礼。これから3時間目の学習を始めます。お願いします。」 この声を聞くのは本当に本当に嫌で仕方なかった。  私の名前は算田鳴数(さんだめいすう)。所山小学校小学4年の女子。算数以外の勉強としては成績はそこそこ高いんだけど...算数は...。って感じ。名前に算数って入っているからか、得意なのかとよく聞かれる。いつもは「いや〜、反対だよー」と軽く返して終わっているけれど...最近それどころではなくなってきた。ヤバい。始まる。「今日の3時間目はー、先週も言いましたが()を使った計算のテストです。みなさんはしっかりテスト勉強をしていますよね。全員が100点を取れると信じています。」いや先生、ごめんなさい。私は絶対に、絶対に、どれだけテスト勉強をしても100点を今まで取ったことがない女なんです。クラスのみんなにはゴメンだけど...私は無理だな。「それでは皆さん、配られた人から名前を書いてください。書けたら、鉛筆を置いて良い姿勢になって待っておいてくださいね。」 そうやって、「()を使った計算」のテストが始まる。
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