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存在スポットライト 中
「お、お前はいったい……って、あれ!?」
今更ながら、オレは多大な違和感を抱いた。そもそも、ベッドから起き上がることすらできない体のはずなのに、嘘のようになんともない。健康そのものだ。
ぺたぺたと色んな箇所を触ったが、どこも痛むことはなく、傷一つなかった。女の人が治したのか? あの傷を? だとしたら医者のレベルをはるかに超えている。
「ど、どうして、こんな……」
「同族の臭いがしたからね、はるばるとセカイからやってきた次第だヨ」
「同族? 世界?」
オレの言葉なんて気にも留めず、その女の人は自己紹介を始めた。
「僕の名前はカルア。呼び捨てでいいヨ。色々と訳ありでね、セカイ中を旅している。今は――主人公の君に向けた商いをしているんだヨ」
「主人公? 商い?」
カルアという少女は、ビシッとオレに指先を突きつけて、
「ズバリ君は……本当はクラスメイトのみんなと仲良くおしゃべりがしたいけど、自身の存在感の薄さが原因で悩んでいるね?」
「――ッ!! どうして、それを……!」
「そんな君にオススメしたい孤道具がこちら! ちょっと待ってねー」
カルアはクルッとオレに背を向けてシルクハットを取り、まるで中にある物をまさぐるようにして手を動かしはじめた。それにしても孤道具っていったい……。
しばらくすると、あった! という元気な声を出して、カルアは再びシルクハットを被ってオレに向き直った。見せてきたのは――何の変哲もない懐中電灯だった。
「? まさかこれが、存在感を高めるなんて言い出さないよな?」
よく見ると、ただ明かりをつけるボタンがついているわけではなく、1、2、3と番号が振られた合計三つのボタンがある。
これは? と指をさして指摘するとカルアは、某ジャーナリストのように「いい質問ですね」と返した。
「名付けて! 存在スポットライト! これを自身の影に照らすだけで、なんと、存在感がうなぎのぼりに高まる! 周りの人間たちは君にアプローチせずにはいられなくなり、必然的に人気度が上がる!
友達も恋人もいない君にはぴったりの孤道具だヨ。しかも今ならお試し期間実施中! どうだい? いいと思わないかい?」
「…………」
もしかして、治療費の代わりとしてそんなインチキ商品を売りつけようなんて魂胆ではないかと思案する。
しかし嘘だとわかっていても、カルアの話した言葉には十分すぎるほどの魅力が詰まっていた。つい惹かれそうになっている自分を、心のなかで叱咤する。
「悪い、そんな絵空事は信用できない。怪我を治してくれたことについてはすごく感謝してるけど、その道具は買えない」
カルアの口の端が、一瞬悲しげにだらりと下がる。しかしすぐにまたニヒルな笑顔に戻って、
「……まぁ、信じないのも無理ないよね。でもせっかく今はお試し期間だから、商品はここに置いていくヨ。捨てたかったら、それはそれで構わない。じゃっ」
その瞬間、突然目を瞑ってしまうほどの強風が吹き荒れ、部屋の物がかき回されたようにしてぐちゃぐちゃになった。
再び目を開けても、そこには誰もいなかった。オレは目覚めてから今まで、幻覚を見ていたのだろうか。
しかしそうではないと示す証拠が一つ。それは、カルアにお試し期間と言って渡された懐中電灯が、手元にあることだ――
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ……
「ふぁ……あぁ……」
翌日、オレは慣れた手つきで目覚ましを止める。いつも通りに親が作り置きしたご飯を食べ、制服に着替えて、学校に持っていく物の準備をし終える。
毎度のことだが、登校まで数分と時間が余ってしまう。別に出発してはいけないなんて決まりはないが、いざ学校に早く着いても、なに一つとしてメリットはないのだ。
「存在感を高めるライト……か」
オレは何気なくライトを手に取る。もちろんカルアの言った言葉を信じているわけじゃない。結果はわかりきっている。これで本当に存在感が高まったら苦労しない。
しかしもう一度言うが、カルアが放った言葉はあまりにも魅力溢れるもので、オレはそれに魅せられるように、レベル1のボタンを押してできている影を照らしてみた。
………………
…………
……
「…………ふっ」
ライトの電源を切る。たかが数秒であれ、時間を無駄にしてしまった。悔いたところで馬鹿らしいので切り替えていこう。オレは部屋を出たのち、玄関のドアへ向かった。
いつも通りの一人、いつも通りの登校、いつも通りの学校、いつも通りの下校、そうなる……はずだったのに、変化はこの瞬間からすでに、起きていた――
「あ〜ら晴ちゃんじゃな〜い。おはよう。これから学校?」
「!?!? ぅあ、あ、え……?」
多分人生で初めて、隣に住んでいる年配のおばちゃんに話しかけられた気がする。にも関わらずあいさつの調子からして、まるで親しい間柄のようだ。
オレはあまりにも突然すぎることで、一時的に喉と舌の使い方を忘れてしまい、思い通りに言葉を発することができなかった。おばちゃんは続けて、
「そうだそうだ! 孫からたくさんお土産もらっちゃってね〜、これ持ってって!」
そう言ってぱんぱんに膨れ上がったレジ袋を渡された。中に入っていたのは、人間の拳サイズほどはある大きなオレンジだった。
「いやいや! こんな高価なもの……」
「いいからいいから! 食後のデザートとして食べちゃって! 私一人じゃとても平らげることなんてできないからさ! ハッハッハッハ!」
しわがれた林◯パー子のような笑い声を上げながら、肩を叩くおばちゃん。加減ができておらず痛い。
なんだか受け取る流れが完成してしまっているので、オレは言われるがままにオレンジを持っていくことにした。
「あの……ありがとう、ござい、ます」
去り際に、たどたどしくもちゃんとお礼をする。おばちゃんはぶんぶんと力強く手を振ってくれているので、オレもそれに応えることにした。
正直、まったく実感がわかない時間だった。実はオレは夢をみていて、おばちゃんは自分が人と喋りたいと思う欲求から生まれた架空の存在のほうがまだ信じられた。
「ぐ、偶然だろ。学校に行ったらいつもの一人の生活が、一人の、時間が……」
認めたくない気持ちがあった。もし認めてしまったら、今まで存在感がなくて苦しんできた時間が馬鹿みたいに思えるからだ。
たかがライトで影を数秒ほど照らしただけなのに、こんなにたやすく願いが叶っていいのかと、なんとも矛盾した考えを持ってしまう。
――しかしいやいや予想した通り、学校に登校しても、自身に起こった不可解が解けることはなく、ライトによる洗礼を受けたのだった――
「おはよう!」
「お、おはようございます……」
「おはよう!」
「おはようございます……」
「おはよう影山君!」
「……ございます……」
さっきからずっとこの調子だ。今までは当たり前にオレのことを無視してきた先生や生徒たちが、手のひらを返してきたようにあいさつしてくる。
正直、うっとおしい。今まで一人の時間が当たり前だったので、いきなり変わってしまった状況に、意識が追いついていない。
「なんか……疲れるな」
教室の前までたどり着く。いつも通りにすればいいはずなのに、なぜか動悸がうるさい。立ち止まっても仕方ないのでドアを開けると、
「「「おはよう!!!!」」」
「…………お、おはよう」
クラスメイトの文字通り全員が、笑顔であいさつしてきた。それはまるで水粒が落ちて大きな波紋を作るように、心に衝撃を与えた。みんなが、オレを見ている。
思わず涙が出そうになったのを慌ててこらえる。これが、存在していることかと、感動を噛み締めた。そのとき、ぱたぱたと一つの足音がこちらに向かってきた。
「ねえねえ影山君ってさ〜昨日のドラマ見た?」
いきなり女子生徒に肩を叩かれ話しかけられる。たしか名前は……文子だ。思わず電流を流し込まれたように体が痙攣し、滑稽な反応を見せてしまう。
「えぇ!? その……なんの、ドラマだか……」
「そんなの、逃げて生き恥晒すやつに決まってるじゃん! 女優の石垣結衣がめちゃくちゃ可愛いくてぇー、特にエンディングで役者の人が踊る故意ダンスが人気でね、テレビでも高視聴率番組って取り上げてんだよ! 知らないの!?」
い、いきなりそんなべちゃくちゃ話されても、なにも喋ることなんてないぞ。もう認めざるをえないが、こうなったのは紛れもなくライトの効果だ。
使ったのはほんの十秒のはずなのに、ここまでとは……と関心する。オレが困った顔をしていると、教室の奥からメガネをかけた……たしか清三郎が間に入ってきて、
「そんな低俗な話題より影山殿、拙者とぜひともアニメ叔父の子談義を楽しみましょうぞ!」
と、オレの腕を掴み、自分の席へと誘導してくる。すかさずもう片方の腕を文子が掴んでくる。綱引きならぬ、人間引きの始まりだ。痛い痛い痛い! 離してェ!
「ちょっと! なにが低俗な話題よ! いい年してアニメばっか見て、少しはドラマ見たりして大人になったらどうなの?」
「ムムム!? まずアニメイコール子どもが見るものなんて解釈が間違っておりましてでして昔はオタクに対する風当たりが強かったのは事実ですが今は有名ブランドや人気チェーン店とコラボしたりと世間的にも破竹の勢いで受け入れられてきてそもそもドラマを見ただけで大人になった気でいるあなたの思考そのものが真の子ども……」
「はいはいはいもうちょっとテキセツ! なスピードで、ハッキリ! とした口調で、言ってくれませんかァー? ほとんど聞き取れないんですけどォー?」
二人の間に無音の火花が飛び散っている。近づいただけで飛び火……というか、今はその渦中にいるんだった。
「オ、オレに決定権は……」
「ない」
「ないわ」
「そ、そんなぁー!」
以後も人間引きは続いたが、先生が来たことで事なきを得た。その後はもっぱら聞き専だった。疲れはしたが、それ以上に……心地よかった。
一時間目から放課後に至るまで、オレはオレという存在を他人に認知される。それは窮屈であると同時に――とても尊いことだと知った。
「ばいばーい」
「ば、ばいばい」
「また明日ね! 影山君!」
「…………」
また明日、か。そんな約束をしたのは生まれて初めてのことだ。今まで明日というのは、ただ風が吹くように当たり前にやってきて、気づけば通り過ぎていくものだった。
だが今はどうだろう。悪いことだが、授業中に先生に内緒でお話しをしたり、一緒に学食でラーメンを食べたりした。変わり始めている。確実に、すべてが。
「影山君」
「――ッ!! え、ええ!?」
思わず声にならないしわがれた声を出してしまった。声をかけてきたのはなんと、今までずっと見ているだけ存在だった春近さんだった。
急速に胸の鼓動が高鳴る。ただでさえ今日のイレギュラーな事態で疲れているのに、これ以上の負担をかけたらどうなるかわかったもんじゃない。
「ちょっと放課後に付き合ってほしいところがあるんだけど……いいですか?」
両手を合わせながら上目遣いでお願いしてくる春近さん。確実に狙ってやっている。それはわかっているのに、いいえと言えないのは男の本能といったところか。
気づけば疲れなんて宇宙の彼方に吹っ飛んでしまい、オレはなぜか軍隊の敬礼をしながら、
「お、オオオオレでよければ!!」
絶対変なやつに思われたに違いない。しかし春近さんは一切そんな素振りは見せず、ありがとうございます! と笑顔を見せ、教室をあとにした。オレも後ろに続く。
にしても、たくさんいる男子のなかで、どうして自分を誘ったりしたのだろうと考えながら歩を進めていると、到着したのは街で一番大きなデパートだった。
「……なにかほしいものでもあるの?」
「ちょっと男子の意見が聞きたくて……急に迷惑ですよね。ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げる春近さん。オレとしてはまったくそんなことは思っていないので、急いで否定する。
「いやいやいや、迷惑だなんて。むしろその……嬉しいって言うか……」
せっかくわずかでも気持ちを伝えるチャンスだったのに、最後は空気に溶けてしまうような小さな声になってしまった。案の定、春近さんが聞き返してくる。
「え? なんて言って……」
「と、とにかく! オレは春近さんにどこまでも付き合うってことだから!」
今度は逆に大声で発言してしまったため、周りの人たちから好奇の目にさらされてしまった。それになんださっきの発言は。これじゃ告白みたいじゃないか。
その後オレたちはデパートの中に入り、歩いた先は若者向けなどの服が置かれた洒落たファッション店。今まで縁のないオレにとっては、まるで異世界だなと感じた。
「こっちのデザインとこっちのデザイン、どちらがいいと思いますか?」
「こ、これって……」
なんとなく、察しがついた。今春近さんが手にしているのは、明らかに男もののマフラーだ。一つは雪の結晶がデザインされた灰色、もう一つは流れ星に黒色だ。
つまりはこうゆうことだろう。彼氏に似合うマフラーを一緒に見つけてくれ、と。もしかしたら弟や兄にあげるものかもしれないと考えたが……やめておこう。惨めだ。
「……こっちかな」
適当に雪の結晶がデザインされた灰色のマフラーを選ぶことにした。深い意味はない。しかし春近さんはまるで純真な子どものようにあどけない笑顔を浮かべながら、
「本当ですか!? 私もそうだと思ってたんですよ! 意見が合ってよかったです」
わかってるなら意見いらねぇじゃんと心のなかで毒を吐きつつ、慣れない作り笑いでその場をごまかした。
店を出ると、春近さんは申しわけなさそうに両手を合わせながら、
「ごめんなさい。もう一店舗だけ、私に付き合ってくれませんか?」
「あ、ああ、いいけど……」
「ありがとうございます! 実を言うと、今日はそこが一番のメインなんですよね。行きましょう!」
と、言ったその瞬間、さも当たり前かのように春近さんは、オレの手を握って歩き出した。混乱する自分をよそに、ぐいぐいと彼女は引っ張っていく。
放課後を過ぎると、とうぜんオレたちのような中高生の客でショッピング内はごった返している。はぐれないようにするために握ってくれたのか? それとも……
「ほら! あの店です。やっぱり空いてるなー」
「こ、ここは……今どき珍しいな」
春近さんが指を差したのは、服屋でも書店などのありきたりな店ではなく、カメラ専門店というなんとも稀有な場所だった。
ガラス棚には一眼レフがまるで大名行列を作っているかのように並び、他にも保護フィルムやSDカードと書かれているものなど、もはやオレの知識外の品だ。
「春近さんは、写真を取ることが趣味なの?」
「……まぁそんなところ、かな」
「具体的に、ど、どんなのを……」
気になる。これを機に少しでも春近さんに近づきたい思いが先行して、普段なら絶対にしないガラでもないような行動をとってしまう。
彼女は少し困ったような表情をしたあと、売っていた一眼レフを持ち、オレへと向けていきなり、
「パシャ! パシャ!」
と、自分の口でシャッターを切る音を出して戯けてみせた。あまりにも不意打ちとしか思えない春近さんの行動に、思わず作り笑いでもなく勝手に口から笑みがこぼれた。
「どう? きれいに撮れた?」
「……綺麗にしか撮らないんですよ。私は」
正直、春近さんがなにを撮っているのかという興味はほとんど失った。それよりもずっと価値があり、尊いと思えるのを拝むことができたのだから。
デパートを出たころには、空が薄く茜色に染まっていた。お礼を言われたあと、あっさりと背を向けてオレの元を去っていった春近さん。あまりにも呆気ないなと思った。
「これから、仲良くすればいいんだけど……これからがあるかどうか……」
ぼんやりとした街路樹の影を踏みながら、家路についていく。とりあえず今日一日は、幸せな日だと思うことにした。だってそうだろ?
あの春近さんと一緒にいられたのだから。今まで天上人のような存在だったのに、手の届く範囲にいたこと。これは目覚ましい成長だ。にしても戯けた姿、可愛かった……
「ただいま……」
そう考えると、とたんに幸せな気持ちが湧いてくる。やはり考え方は、処世術の上で重要だなと思う。
そんなことを思いながら玄関を開けた瞬間――まるでサトウのごはんのように待ち構えている人物を見て、一気に気持ちが冷めていくのを感じた。
「やぁやぁおかえり。サトウのご飯にする? サトウのお風呂にする? それとも、サ・ト・ウ?」
「なんでそう安安と家に侵入できるんだ! ってかなんの用だよ。せっかく人が気持ちよく帰ってきたのに……」
「気持ちよく帰ってきたってことは、どうやらライトの方は気に入ってくれたみたいだね」
手を後ろに組み、ニュイッと腰を少し落として上目遣いのような姿勢でオレを見つめるカルア。目元が隠されていなかったら、少しドキドキしてしまったかもしれない。
「ま、まぁな」
「よかったヨ。ところでその存在スポットライト、買う気になってくれたかい?」
正直喉から手が出るほど欲しいのだが、すぐに大きな問題にぶち当たってしまう。それは値段だ。
たかが一介の高校生の分際で、数十万やら数百万円なんて大金を持っているはずがない。かくいうオレもその一人だ。
「こんなすごいの、とてもじゃないけど払うことなんてできな……」
「――タダでいいヨ。今回はサービスということで」
「……え?」
「僕が欲しいのは――終点だからね」
「な、なにを言って……」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべてくる。ちょっとなに言ってるかわからないが、とにかくオレは、商品が自分のものになった事実に歓喜した。
しかし直後、カルアのただし! という一際語気の強い言葉に、背筋が釣り上げられたようにピシッと伸びた。ピンと立てた人差し指を唇に当てながら、
「約束として、ライトは一日に一回のみ使うこと。照らす時間は十秒ほどが目安。そして押すボタンはレベル1だけにすること。
間違ってもそれ以上のボタンはぜぇ〜たいに押さないでね。もし押したら……」
「お、押したら……?」
そこから先を、カルアは話してくれることはなかった。だが聞く必要はないだろう。だってオレは、
「その約束、絶対に守ります! だから……」
――ドンッ
「えっ……」
驚く暇もなく、まるで睡魔にでも襲われたようにオレは、あまりにも突然、意識が遠のいていった。
カルアがスッと懐から取り出したのは、暗黒に黒光りした銃身の長いリボルバー拳銃。カチャリと安全装置を解除した音が聞こえ、引き金が引かれた。
すべての景色がスローモーションで流れていき、まるで世界が静止してしまったような錯覚を覚える。オレはなすすべなく床に沈んでいく。その間際、
「――終点までの物語は今……決定された」
「………ッ………え…………?」
ドサッと尻もちをつく。一瞬額に痛みが走ったが、次の瞬間には消えていた。
なにするんだ! と怒ってやりたかったが、カルアはまたしても風のように、いつの間にか姿を消してしまっていた。
夢でも見ていたようだ。しかし――ライトが手元にあるという事実こそ、夢ではなく現実であることを教えていた。
オレはこれからの行動を強く宣言した。
「これから存在感を高めて……思い出をたくさん作ろう!」
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