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第一話 初雪の日 壱
「いやぁーーっ! お母さまぁーーっ!」
母――沈氏の身体がゆっくりと後ろに傾いでいく。
太刀の軌道に沿って、あたりに飛び散った真っ赤な血が、純白の雪と混ざり合う。
その光景は恐ろしくも美しく、まるで、狂い咲いた梅の花びらが舞い散る姿に似ていた。
そうして血と雪の花びらは花見客を酔わせるように、甘く爽やかな香りを撒き散らしながら、沈氏の命と共に散っていった。
――初雪が降った日。
第四公主――白蘭花の人生は谷底に落ちた。
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