俺だけを見てよ

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俺だけを見てよ

いっそのこと、殺して自分だけのものにしたい。 だってこんなにも愛してるのに、俺をその目に映してくれないから。 ねえ、愛してほしい。 ーー瑠衣(るい)。 俺の部屋に無理やり閉じ込めたはずなのに。 手や足、首まで鎖で繋いでも、心までは繋ぎ止められない。縛れない。 お前はいつも、傍にいる俺じゃなくて他の男を思ってるね。 瑠衣の目には、そこに居ないはずの「アイツ」が間違いなく存在していて、俺の入る隙がほんの少しですらも無い。 まるで心の脆い部分に爪をたてられてるみたいに、痛くてたまらないんだ。 苦しくて苦しくて吐きそうなのに、その痛みの虜になりそう。 どうせ痛いなら、一生残るくらいの跡が欲しい。 愛する人が与えてくれた傷なら、喜んで受け止めるから。 瑠衣によってつけられた跡、そう思うと胸が熱くなり鼓動も激しくなる。 俺の世界にはお前以外は誰も、何も要らない。 だから、瑠衣。俺に振り向いてくれ。 瑠衣の瞳を見つめていた、自分の視界が涙で滲んで歪んでいく。 どうして、瑠衣の最愛は俺じゃないの。 ねえ、どうして。 監禁なんて瑠衣に本気じゃなきゃ、ここまで最低なこと、やらないよ。 なのに、彼女は俺を視界にすら入れてくれないんだ。 きっと嫌われてる。 キスをしようと、近づいてもそっぽ向かれる。 瑠衣。せめて俺の名前呼んでよ。 優斗(ゆうと)って。 今日のところはそれで我慢するから。 でも俺を愛してくれるまで、絶対諦めない。
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