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この言葉は、いつ聞いたものなのだろう。
何回も繰り返し聞いた気がする。
朝の光がゆっくりと部屋を照らし始め、眩しさに目を細めながら私は目を開けた。
えぇっ……?
ここどこだっけ。
ふと目の端に褐色のものが目に入り、私はギョッとして飛び上がりそうになった。
ひっ……ひと!?
人だ!
知らない人だ!
いや?
知らない?
いや?
知っている気がする。
何となく見覚えがある……っ!?
すんごいイケメンだ。でも、裸っ!?
私はその瞬間、ゾッとして自分の体を見た。服を着ていないんですけどっ!!!
私は公爵令嬢だ。長女だ。
昨日は……うわぁ……思い出した。婚約破棄されたんだった。で、家を飛び出して、ほんで……見知らぬ高級サロン見たいなところに紛れ込んで、知らない男性に愛を告白されて、やけ酒を飲んで……記憶がない。
でも、裸の彼が記憶にある。私のカラダを気持ちよくさせてくれ……!?
「きゃっ!!」
私は思わず叫び声を上げた。
「な……なんだよ、朝っぱらから」
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