11 だめ。リジーじゃなきゃダメなの

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「本物のヨナンが結婚を嫌がった?ほんと?」  初夜のベッドインの時、いざことをしようとしたアラン王子は、嫁いだのは男だと種明かしされて、そう告げられたようだ。  突然のことで、アラン王子も相当に戸惑ったようだ。 「でも、ヨナンとアランは先に結ばれていたってところがポイント。結婚する前にヨナンはアランを弄んだ」  はぁっ!?  ヨナンはアランを弄んだ?  なんちゅー女だ。  婚前合体か。  もしかしてその時処女喪失? 「あぁ、ヨナンの初めての相手は、別にいるから。アランがただ弄ばれただけ」  アラン王子は赤くなったり青くなったり、やけ酒を煽るようにグラスの中の酒をかっくらうように飲んでいる。  いつの間にかベッドからピローを1つ持ってきて、大人しく抱いている。  こんなイケメンが切ない初恋の果てに、どうしようもなく傷ついたという図なのだろうか。 「俺は振られたの」  アラン王子は煌めく瞳で言った。 「俺は情けない王子なの」  アラン王子は私の方を見つめて、切ない調子で言った。 「リジー、俺はリジーがいないとダメな奴なんだ」
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