11 だめ。リジーじゃなきゃダメなの

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 私は思わず悶えたけれど、はしっと胸を両手で抱えて防御した。 「この身はアラン王子の身なのっ」  私がヨナン妃を嗜めると、一瞬真顔になったヨナン妃は、フッとつぶやいた。 「ますますリジーが欲しくなること言うんだから。俺じゃだめ?」 「だーめ」 「可愛いなぁ。でも、リジー。俺が降りるってことは、本物のヨナンと入れ替わるってことだから。用心しなよ」  へ?  今なんて?  本物のヨナンと入れ替わる……。 「流石にバレるっしょ。子はできないし。第二妃に夢中って噂が本国に届いて、ヨナンが俄然アランに興味を持ったと言うわけ。アランにちょっかいを出したいらしい。俺もそろそろ騙しきれない限界だしねぇ」  妖艶な微笑みを浮かべたイザークにそう言われて、私は呆然とした。  アラン王子の初めての相手が、こちらにやってくる?  第一妃として?  ちくりどころではない、嫉妬の痛みが私を猛烈に貫いた。 「リジー、もっと……」  むにゃむにゃと寝ぼけて呟きながら正体もなく寝入るアラン王子は、神々しいまでのイケメンだった。  寝言はまあ、間抜けだけど。
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