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まだ見ぬ本物の遊び人ヨナン美女から、アラン王子をおめおめと奪われたら洒落にならない。
結局。
結論。
私はアラン王子の愛を独り占めしたいのだ。
私、負けてられないわよ!
おぼこい公爵令嬢でちょっと太めだからって、ヨナンという絶世美女がアランの初めての相手だからといって、今のアラン王子は私にだけに勃つんだからっ!
あぁ、あまりに低俗な戦い。
自分で自分が嫌になった。
嫉妬は醜い自分を露見させる。
私は唇を噛み締めた。
私の取り柄……?
私の勝負所……?
私がヨナンに勝てる部分は何?
なんだろう?
なんにもない気がしてきて落ち込んだ。
「エリザベス、宮廷に馴染めないのか?今日は言葉少なだが」
眉間に皺を寄せて、両手を握りしめたり開いたりして宙を見つめている私に、国王がそっとささやいた。
「いえ、そんなことはございません。焼きもちですわ。2人して朝食に来れないなんて」
私はこそっと国王にささやき返した。途端に、国王はいじましい生き物を見つめるような慈愛の眼差しを浮かべて、私に優しく言った。
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