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朝食を終えた後は、民族舞踏の練習をマリーと一緒にして汗をかいた。体を動かしておかなければ、不安で不安で仕方がなくなるからだ。
夕食の前に、イザークとアラン王子が一緒に私の部屋まで訪ねてきた。
「あら、イザーク!」
私はギョッとしたが、マリーが飛び付かんばかりに目を輝かせてイザークの所に駆け寄って行った。
「やあ、マリー。また会えたね」
イザークは魅惑的な笑顔を浮かべた。
罪な男だ。
16歳の清純無垢なマリーは、イザークを見て頬を赤く染め上げている。
マリーはそれ以上は自分では何も言えなくなったようで、うなずいただけだった。真っ赤になって、もじもじしてはにかんでいる。
私はマリーに手を出したらダメという気持ちを込めて、イザークに念を送ったが、イザークは知らんぷりをしていた。
だめ!
マリーをこれ以上イザークに近づけるのは危険極まりない。
気をつけねば。
「リジー、夕食の前にヨナンと少し話がしたいんだ」
アラン王子がそう言った。イザークもうなずいている。
アラン王子が私を抱き寄せるフリをして耳元にささやいた。
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