12 あの2人が一緒にベッドに入るのはイヤ ※

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「本物のヨナンが来ている」  えっ!  もう!?  早っ!  遊び人は行動が早いのかしら? 「わかりましたわ」  私はすましてそう言って、マリーに部屋に残るようにお願いして、アラン王子とイザークの後をついてヨナン妃の部屋に向かった。  ヨナン妃の部屋に入ると、侍女のルーシーが本物のヨナン妃に小言を言われていた。 「かしこまりました。昨日まではお一人で全てやると仰るので、大変申し訳ございませんでした。今日のお声は素敵ですね」  ルーシーはひたすら謝っている。だが、微妙に一言ずつ余計な発言が多いかもしれない。 「素敵に決まっているじゃない!当たり前の事を言われたら、イライラするから」  私たちが姿を現したことに気づいたヨナンは、すっと小言をやめて、ルーシーを下がらせた。  イザークが扮していたヨナン妃に、見た目はそっくりだ。ただ、胸は本物のようで、膨らみは今までよりかなり増している。 「こんなぽっちゃり……」  ヨナン妃はじろじろ私を見た。 「どこがいいの……?」  ヨナンはアラン王子に聞いた。  その言い方には甘い毒があった。
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