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勝手知ったる昔からの知り合いのような、互いに身体を許した過去があるから漏れ出るような、くだけた雰囲気があった。
身体を許した以上の仲だったことを醸し出して、甘い大人の関係を匂わされた。
私は悔しくて胸がちくりとしてしまった。
「失礼な発言は許さない。俺にとっては最高の妻だ」
アラン王子は相当怒っているらしく、真っ赤に顔を赤らめて、かしこまった言葉使いをした。
「あら?あっちの相性もいいというわけね。でも、比べて見ないとわからないでしょう。今晩……久しぶりに早速試しましょ」
私はため息が出た。
なんちゅうー女だ。
よくこんな女性を……。
私はアラン王子に悲しくもイラっとした。
「エリザベス?もはやあなたは昔の女よ。私がアランの今の女になるわ」
私の目の前で、ヨナンはふわりと微笑み、アランに抱きついた。
アラン王子は硬直した様子になり、私はいたたまれずに、部屋から飛び出した。
イヤ!
あの2人が一緒にベッドに入るのはイヤ!
でも、ここは王家だ。
第一妃は私ではない。
私は夕食を欠席して、泣いた。
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