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「昨日は最高だった。リジー、我が宮殿へようこそ。ヨナンとは訳あって離縁できないのだが、私の女人は其方だけだ」
言葉遣いが丁寧。
ヨナン妃が私たちの間に寝ていたのは、アラン王子にとっても動揺することだったようだ。
バレたくない何かなんて、無いよね?
2人の関係は一体どう……?
そもそもだ。
アラン王子の感じる場所なんて、どうしたら知れるというの?
いやー……?
「おぉ嬢さまぁっ!」
マリーは私がシーツに包まれて颯爽とアラン王子に運ばれて私の部屋まで戻ってくるのを見て、両手を握りしめて顔を輝かせている。
目がキラキラとして、私がアラン王子に大切にされていると思い、とても喜んでいるのが分かる。
マリー、そうかもしれないけど。
モヤモヤするのだ。
言えないけど、聞いて。
夫の妻がね……って。
言っちゃダメな話だ。
「マリー、すぐに朝食だ。国王陛下も王妃様もいらっしゃる。リジーの身支度を頼む」
アラン王子は、王子らしい高貴なオーラ全開でマリーに申し付け、すぐに踵を返して戻って行った。
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