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「七億かあ。
厳しいねえ。
個人資産とはいえ、いざと言うときのために、とっといた方がいいと思うけど」
会社傾いても知らないよー、と言われる。
確かに。
だが、茂野に出せて、俺に出せないということはあるまい、と思う。
まあ、向こうは会社の金も流用したのかもしれないが。
此処で出せなかったら、茅野に愛を疑われそうだ、と思いながら、ふと口にする。
「……実はこれ、俺の会社を潰そうという茂野の壮大な罠なんじゃないだろうな」
「その場合、茅野ちゃんを使わないでしょ。
あの溺愛具合を見たでしょうが」
なんだかんだで仲良さそうに見える二人の姿を思い出し、ふいに腹が立ってきた。
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