私、今から詐欺師になりますっ

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「お前の読みはなかなか鋭いからな。  肝に銘じておこう。  で?」 「は?」 「最近、ちょっと会社が軌道に乗ってきたからと言って、恩知らずにも、お前に、もう我慢しなくていいとでも言ったのか。  あのお前に甘々の家族が」 「いいえ。  みんな秀行さんにはとても感謝しています」  いい夫だと、正月などに帰ると、下にも置かない扱いだ。  それはお金のためだけではないと母が言っていた。  本当にお前を愛して大事にしてくれているからだと。  そう……  そうかなあ? と茅野は首を捻る。  確かに、実家に行ったときなどは、思いやってくれるいい夫なのだが。  あれは演技だ。  普段は違う。
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