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対抗戦当日です。
子ギツネ一匹と子ダヌキ一匹が前に出て、同時に人間に化けます。より人間に近いほうが勝ちになります。
今のところ、子ギツネの全勝です。
最後の一匹が呼ばれます。
キツネのほうは、才能のある子ギツネが残っていました。
タヌキのほうは、上達の遅い子ダヌキが残っていました。
先生キツネは、子ギツネに言いました。「全勝がかかっている。絶対に勝て」と。
先生タヌキは、子ダヌキに言いました。「自分の持っている力を出せばいい」と。
子ギツネと子ダヌキは前へ出て、頭に葉っぱを乗せました。先生の「いっせーのーで」という号令のあと、同時に化けました。お互いにボンっという破裂音とともに煙が舞い上がります。
そして段々と煙が薄まり、化けた姿が現れます。
子ギツネのほうは、人間の姿でしたが尻尾が出てしまいました。
子ダヌキのほうは、人間の姿でしたが耳と尻尾が出てしまいました。
勝者は、子ギツネのほうでした。
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