3章 後悔

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12<麻奈> 慎から真がまだ帰ってきていないと連絡が来て急ぎ社長室へ向かい、真に持たせているキッズ携帯の位置を調べたがわからなかった。 塾や習い事は佐々山さんにお願いするか、私がいける時には行っている。 友達の家にいく時は必ず連絡をするように言い聞かせていたから、こんな風に連絡もなく遅くなることはなかったのだ。 パパとママに伝えるとパパがすぐにやって来て遅れてママも社長室に来た。 真の友達の家に連絡をしたが来ていないという。 目の前ではパパとママが笑ってしまうくらい離れて座っている。 パパは真をすごく可愛がっているが、ママは私と同様どこか距離があるがこう言う時にすぐに来てくれたということは多少は家族として情を持ってくれていたんだと安心した。 真は私の大切な宝物だ。 あの頃、確かに私と慎が愛した証だから。 真に何かあったらどうすればいいのかわからない。 しっかりしなければと思っても涙が止まらないでいると慎が私の肩を抱いて落ち着かせようとしてくれた。 そんな時、慎の元妻からメッセージが届いた。 メッセージには真の写真もあり心臓が止まりそうになった。 それなのに慎は落ち着いて警察には届けないで欲しいと言われ思わず「父親の自覚がない」と言ってしまった。 本当はそんなこと思っていない。慎がどれほど真を大切にしてくれているかわかっているのに、あの女(ひと)を庇ったことが許せず 「だったらなんでこんなに落ち着いているの!あの子がいなくなればいいと思ってるんじゃないの」と、思ってもいない言葉を投げつけてしまった。 慎と元妻を貶める言葉が止まらなかった。 だけれど元妻が真を連れて行ったことは、私達にも責任があると言われて私がしてしまった罪を思い出した。 慎を取り戻したくて、あの女(ひと)と慎の幸せを奪ってしまったのだから。 「大丈夫だよ。必ず真と帰ってくるから。逃げずにちゃんと向き合ってくるから」 そう言って抱きしめてくれた。 慎はいつだって優しくて頼れる人だ。 だけどいつも自分を犠牲にする。 だから心配だ。 「わたしも一緒に行っていいだろうか」 何故かパパが慎について行った。 私はもう待つことしかできない。 慎を信じて待つだけだ。 「ごめんなさい」 今まで何も言わなかったママがぼそりと言う。 あれからママを許せないでいたが、子供の頃、私を可愛いと言って抱きしめてくれた記憶があるから嫌いにはなりきれなかった。 「私が何人もの人の人生を狂わせてしまった。そんなつもりなんか無かった。若かったから、ただ楽しく毎日を過ごせれば良かった。私にはそれができたから。でもそれは間違いだったと気付いた時にはもう遅かった」 「コーヒーでいい?」 返事は必要は無かったからカフェマシンにカセットをセットをした。 カップをママの前に置く。 飲んでも飲まなくても構わない。 私はコーヒーを一口飲むとずっと聞いてみたかった事を聞いた。 「ママはどうして私を産んだの?堕胎する事だってできたでしょ?」 何も言わないママに 「パパと結婚する為に私を利用した?」 口元に手を当てて嗚咽を漏らす姿をみて納得した。 私は慎の子供を産みたいと思った。 だけど、真を産めばいつか慎を手に入れることができるんじゃ無いかと思ったことも確かだ。 私はママの子供なんだと痛感した。

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