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二人三脚
彼のポテンシャルをまずはじっくりチェック。背丈は充分にある。手足の長さは申し分ない。首も長いし、顔も小さい。
ただ、モッサリとした髪型と線の細さと服のセンスの無さが彼のポテンシャルを爆下げしているもよう。
「さっ、有名なサロンで変身よっ」
「さ、サロンですか……僕、そういう所ちょっと苦手で」
「その苦手意識も私が吸収させていただきます」
「え⁉︎」
私は彼の腕を掴み、引きずるようにアイドル御用達のサロンへと直行した。
「髪色は、ハイトーンのホワイトブロンドにして下さーい」
店員と私のやり取りに入り込めない彼は、訳もわからずただただキョロキョロしている。そして数秒後、気も休まらないままシャンプー台へと連れて行かれてしまった。
私がハイトーンのホワイトブロンドを選んだのは、単にアイドルっぽいからだけじゃない。かつてアステラ族の頂点に君臨したアステリアの髪色が、まさにホワイトブロンドだったからだ。
彼がアステリアの魂を受け継いでいる者で間違いないなら、絶対にしっくりくるはず。さぁ、彼が変身している間に服探しとジム探しをしておかなくちゃ。
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