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文章作成に精通していると、一瞥しただけで判るレビュー。
しかし、この高尚なレビューをつけてもらった僕の作品は、しがない塾講師の僕が大した熱も入れずに場当たり的に書きなぐっている、どこにでもある流行りの異世界小説だ。
そして、いつもその僕の物語を読んでくれているのは、おそらく中学生から高校生くらいの少年少女が大半のはず。
「しかし、異世界が何かって……言われてもな」
不意に独り言が出て、ハッと周りを見回した。
車窓の外は、朝だと言われなければ夕日と見紛うほどの淡いコントラスト。
僕より先に電車に乗り込んでいた客たちは、まるで鉛のコートを背負っているかのような猫背ばかりだ。
【あなたの作品、読ませて頂きました。まるでその場に居るかのような臨場感に圧倒されました。特に酒場のシーンは、噎んばかりの煙たさと、アルコールの濃厚な香りが眼前に湧き立っているようでした】
主人公ら冒険者の一団が、魔王の居城へ向かうための水先案内人として、一筋縄では行かない手練の船頭をパーティーに引き入れようと画策する場面。
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