2-1  再会は小説よりも小説のようで

3/21
前へ
/199ページ
次へ
 さて、『異世界遁逃譚』のプロットは、どの程度の内容だっただろうか。  ストーリーについては、結末へ向けたアウトライン程度しか書いてなかった気がする。 【いやいや、お前の『異世界遁逃譚』をえらく気に入ってる一年生の子が居てな。どうやったらあんな重厚な物語が書けるのか、すごく興味があるっていうんだ】  僕の書き方は、テーマと結末を決めて、そこから遡って物語を起こしていく手法だ。  そして、いくつかの印象的な場面を決めておいて、それを繋いでいくようにストーリーを調整していく。  なので、よく小説投稿サイトで見かける、結末を決めないで数百話に亘って短い話をその都度作りながら書いていく連載方法は、僕にはとうてい真似できない。  逆に言えば、最初から結末が決まっているので、物語は絶対に完結する。  しかし小説投稿サイトでは、連載している作品が完結しないなんてことはよくあることらしい。  僕は最初から完結する作品を書いているので、初めて投稿作品が完結して、『完結、おめでとうございます』というメッセージをもらったときは、正直、あまり意味が分からなかった。 【一年生? 二十歳未満に手を出すんじゃない】
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加