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多樽供養寺
「……………神様?いますか?………お願いします……。もう一度、ママに、会わせてください。…………小銭足りないなら、もっと、出しますから。…………あと、私と、友達になってくれる人、もしくは、動物さんができますように………」
この「多樽供養寺」
地元民では、かなり有名な寺だ。
私は、大人から聞いた。
なんでも、恐ろしい神様がいるらしい。
その神様は、子どもが大好きで、子どもを攫っては、食べると言う話しだ。
この「多樽供養寺」
人形供養寺として、とても有名だ。
よく、分かんないけど。
供養ってことは、悪い神様じゃないよね?
人形さん達を、預かる、良い神様じゃないかな?
でも、この供養寺は、それだけ、じゃない、話しがある。
深夜になると、幽霊が現れるそうだ。
私は、見たことないけど、クラスメイト達は、毎年の夏休み、この供養寺で肝試しをして、見たことがあると聞いた。
それだけなら、いいが、もっと、恐ろしい話しもある。
それは、男女、年齢問わず、この、供養寺で、謎の死体が、境内で見つかるのだ。
噂では、殺されていたとのこと。
地元新聞でも、取り上げる内容で、全国ニュースにも、取り上げられたのだ。
そのせいで、「多樽供養寺」は、ほとんど、人が近づかない。
けど、私は、好きだった。
ママが生きていたとき、毎日、来ていた。
ママは、明るい人だった。
そして、境内を周りながら、ゴミ拾いをしていた。
「人間、生きているうちに、いい事しないとダメよ?ここの神様は、子どもが大好きなの。子どもを食べる、そんな悪い神様なら、すぐに、この供養寺は、潰れるわ。けど、潰れていないなら、良い神様よ?ミクちゃん?神様を、貶したり、バカにしたら、ダメ。神様だって、お庭が汚れてたら、悲しいはずよ?だから、お寺に、入ったら、掃除してあげてね?」
ママは、そう言っていた。
だから、私は、このお寺に来たら、掃除をしている。
ママとの約束を守っていた。
「神様?いつか、私に、会ってくれますか?…………ママに会いたいです。お願いします……!!なんでも、します!!!!どうか、このお願い聞いてください!!」
そう、祈り、ゴミを持って、自転車に、乗ろうとする。
ゴウ!!
「ひっ!?」
突風が吹いた。
ガチャン!!
「な、なんの音?………あっ!!」
私は、驚く。
だって、お寺には、普段から、大きい鍵がしてあり、中には、関係者以外、入れないようになっていたのだ。
それなのに、突風?のせいなのか、鍵が、落ちていた。
ギィィ!!ギィ!!
扉が、開いた。
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