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人ならざるモノ達
「おいおい?大丈夫か?人間さん?」
「へっ?」
お人形さんが、喋った!?
「私、疲れたのかな??今、あなた、喋った?」
手に取った、スパイみたいな格好した、お人形さんに、聞く。
「…………気のせいか!!」
「いやいや。お前、どんだけ、鈍いんだ?てか、早く降ろせ!!!!殺すぞ?!」
お人形さんが喋っている!?
ジタバタして、私の手から、逃げ出した。
カチャ!!
そのお人形さんは、私に、向かい、小さな拳銃を向ける。
「ひゃゃあ!?」
私は、間抜けな悲鳴をあげてしまい、尻もちをついた。
「人間さん。落ち着けよ?声うるさいぞ?撃たれたいのか?」
すると、周りのお人形さんや、ぬいぐるみ達が、動き始め、声を出す。
「久しぶりの人間の、悲鳴だ!!しかも、子ども。女の子だ!!!!」
「………ケケケ!!タノシミ。タノシミ!!」
「美味そうだね?ねぇ?主様?この子、いたぶっていい??」
「やめろ。お前ら。この子、毎日、この、多樽供養寺に、来ては、掃除している娘だ。殺すのは、許さないよ?」
若い人の声がする。すると、お人形さん達が黙る。
「すまないねぇ?うちの子、血の気が多いんだ。…………こんばんは。根暗ミクちゃん」
上から、声がする!!
バッと天井を見る。
「こんばんは。根暗ミクちゃん?いつも、見ていたよ」
男の人?
天井に正座で、座っている。
全身紫色のスーツ姿の男の人。黒い中折れ帽を被っている。
頭に、血が上らないのかな?
ぶら下がっているのに、帽子が落ちない。
年齢は、まだ若い。
見た目、お兄ちゃんくらいかな?
「な、なんで、私のこと、知ってるんですか?お兄ちゃんは、誰ですか??」
「おっ?そうだね。自己紹介しよう。わたしの名前は、タタリノカミ。………タタリでいいよ?なんで、君の名前を知っているか?の質問を返そう。…………君達、ミクちゃんのお母さん。ママから、話しを聞いていた。そして、君は、ママが亡くなっても、毎日、掃除しに来てくれた。わたしは、それを見ていた。ここのお人形達も、君を見て、君を調べたんだ。ちなみに、この姿は、仮の姿。君が、安心出来る姿をとっているんだ」
「………ママから!?もしかして、か、神様ですか??」
フワッと、タタリノカミは、天井から降りる。
スタッと、着地する。
「まぁ。神様だな。うんうん。そうそう。その解釈でいいよ?君をよく、知っている。毎日、学び舎で、同級生にイジメられ、また、家族にも、イジメられている。………君の、願いを叶えてあげよう。毎日、掃除してくれる、ミクちゃんにお礼がしたい。どうだろう?」
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