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お地蔵と、紫鏡
「神様?本当に、お願い事、聞いてくれるんですか??」
「あぁ、叶えてあげよう。ただし、条件、頼みたいことがある。出来るかい?なに、簡単だ」
「なんでしょうか??私で、出来ることなら、何でもします!!」
神様は、懐から、なにか取り出す。
「………この地図の赤いバッテンにある、地藏を倒すか、壊して欲しい。願いを叶えるには、邪魔なんだ」
「………お地蔵さんですか??罰が当たりませんか?」
「………この地蔵は、わたしの力を抑えている。完全に、壊すか、倒してくれたら、全ての権限が戻る。そうすれば、全てを叶えられる。君の願い。お母さん。ママに、会わせられる。今でも、会わすことは、出来るが、触れることや、ママからの言葉は、君には、聞こえない。完全にわたしの力が戻れば、触れられるし、声が聞こえる。…………前金として、ママに、今、会わせてあげる。どうする?」
「………!!ママに、会えるの?会いたいよ!!お願いします!!」
「良いだろう。こっち、おいで?」
ガララッ!!
大きな鏡だ。
お人形さん達が、運んでくる
「…………なんですか?この鏡は?」
「死者の鏡。死んだ人間に、会える鏡だ。だが、これだけでは、無理だ。………この紫色の絵の具を、鏡に、たっぷり塗りつぶすんだ」
ママに会いたい!!
その一心で、鏡を紫色に塗る!!
「………いいぞ?これで、完成だ。ほぉら、見てご覧?」
私は、ジッと見る。
すると、私の後ろに、誰が、映り始めた。
「………?…………!!……ママ?ママだ!!!!」
なんと、ママが、くっきりと映し出された!!!!
ママは、私の後ろに映り、頭を撫でてくれた。
「………ママ!!会いたかったよ!!!!」
抱きしめたい。だが、鏡だから、無理だった。
ママは、亡くなる前と、同じ姿だった。
口を、パクパクして、何か言っている。
「…………ママ!?なに!?」
そして、ビキッと、鏡が、ひび割れた。
「!!」
ママが消えた。
「神様?!もう少し、ママに会いたいです!!!!」
「…………今のわたしの状態では、これが、限界なんだ。すまない。だが、ママに会いたいなら、小さな鏡でも、良い。紫色の絵の具を塗り、ママを思い出すんだ。そうすれば、時間制限は、あるが、会える。約束しよう。この紫鏡を使えば、死者と会える。そして、わたしの力を取り戻してくれたら、ママの声が聞こえ、また、触れることが出来るぞ?」
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