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地域医療研修 与論島
大学での2週間の救急研修を明けて、地域医療研修先の与論島に向かう。
サンゴ礁に囲まれた与論島。
沖縄にも近い鹿児島最南端の島です。
海ではウミガメやカラフルな熱帯魚が戯れ、島のあちこちでハイビスカスやブーゲンビリアなど南国の鮮やかな花々が見られる。
幻の砂浜の百合ヶ浜もあり、楽園に降り立ったようだ。
「今日からお世話になります。東京大学附属病院からきました藤宮咲良です」
4月28日からの配属でGWが始まってるのもあり、院内は観光客で溢れていた。
観光名所なのもあり、訪れる観光客は多い。
子供の発熱と怪我が目立つ。
「……骨折はしてないです。テーピングして痛み止め出しときますね」
大学病院の救急で鍛えられたから、なんなりとこなせるが、観光地なだけあって、来院する患者数がえげつない。
「……コロナ感染してますね」
高熱を出している子供を連れ回すのは危険な気がする。
「せっかく来たのに楽しめないの最悪。夜まで預かってくれませんか。お金は出すので!!」
「えっ!!」
5歳の息子を置き去りにして夫婦でビーチを楽しもうとする若夫婦。
病床数は30しかない。
全ては埋まってないから請け入れは可能だが子供を病院に預けて両親が観光を楽しむのはどうかと思う。
観光地の病院は病児保育室ではない。
「わかりました。息子さんは預かります。何かあればご連絡致します」
私より先に赴任していた初期研修医の男の子、葛城和泉くんが間に入ってきて、請け入れた。
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