初期研修 小児科①

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初期研修 小児科①

「翔真くん、大きくなったね!!」 10ヶ月ぶりの葛城記念病院。 新生児科での研修が始まり、外来に退院した馬場翔真くんがきて、元気な姿を見て嬉しかった。 「やっと6kg超えました」 生後4ヶ月だから、少し軽い。 だけど、抱っこしてあやすとよく笑う。 金森さんも、息子の大祐くんを3ヶ月検診で連れてきて母子共に元気な姿を見られて嬉しかった。 「咲良、離島での研修は楽しかったか」 遊びに行くといいつつ、予定オペのスケジュールをパンパンに詰めらて休みが取れず来れなかった大和くん。 「与論島、子供の頃、家族旅行で何度か行った事ある。そこの院長、親父の恩師がしてるらしい」 「そうなんだ」 地域医療研修の研修先は美里副院長に紹介して貰った。 心臓疾患のある子供が多く受診する。 頻脈発作などで救急搬送される子もいて、対応で終業後も病院に居座ってる。 「咲良は小児科医の方が向いてるのかもな」 小児科の病棟で小さな子供達に絵本の読み聞かせをしていたら、大和が回診にきた。 「そうかも」 28週で産まれたのもあり、3歳までは葛城総合病院に入院する事が多々あった。 ほぼ全ての臓器が大人と同じように機能するようになってからの誕生で生存率は95%。 だけど、免疫力が弱くて風邪を拗らせ、父が仕事で私のお世話ができないのもあり預けられていた。 だからか、入院してる小さな子を見ていると昔の事を思い出し、寂しい想いをしている子達を支えたいと思う。
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