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次の日、俺は衛兵に言われた時間にハローワークなるギルドに行くとギルドの受付嬢の岸本と名乗る女に身分証明書と経歴書を渡した。
経歴書には覚えた呪文や特技などのスキルをビッシリと書き込み職業には勇者と書いた。
自分を売り込むために余白にパフパフ経験済みとまで、そっと書いて大人だと言うことも密かにアピールした。
ギルドの受付嬢の岸本は俺の経歴書に目を通すと呆れたように言葉を吐いた。
「こういうふざけた経歴書はダメですよ?ちゃんと真面目に書いて下さいね?ランスさんはどの職業がご希望ですか?」
「…えっ?ドラゴン討伐とか最高レベルのスキルだと思うけどダメなのか?」
「ドラゴンとかじゃなくて職業ですよ…料理人とか建物を建てたいとかあるでしょ?何かご希望はありませんか?」
「…できると言えば身体を使うことかな、、」
「それでは建設業を紹介しますね?」
俺は岸本が紹介する資料の紙の中から林業に目が留まると指をトントンさせて希望した。
さっそく岸本は林業の仕事場にヘンテコな機械で連絡すると地図と面接時間の書いた紙を俺に渡してそこに行くようにと言った。
“俺のここでのクエストが始まった”
あれから俺は自ら高めたゲームのスキルを駆使して、ここでのスキルを最高値まで上げると転職を繰り返し今ではギルドの受付の岸本の隣で仕事をしている。
岸本とは俺が短期間で何度も転職をする度に顔を合わせているうちに仲良くなった。
今思えば、ゲームの世界も人間の世界も同じように戦わないと生きていけない。
生きていく上で自分のスキルを育て成長させるのは必須なのだ。
大魔王は、ここにはいないが俺はいずれこの世界でも世界を救う勇者になりたいと心の中で岸本の隣で、そっと願っている。
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