*アブラムシとテントウムシ*

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 そして午後の事。 ガザニアの蜜が吸われて、部屋がめちゃめちゃになっているのではないかと不安になりながら、お客様を訪問したところ 「あら、テントウムシ様。いつ、いらしたのですか? ……御召し物が黄色いのですね?」 「こんにちは。さきほど着きましてね。いい香りが、ものすごくしたものですから」 「そうでございましたか。ここは、花の種類が多いですからね」 「そのようですね」 「こんな高い建物まで、疲れたでしょう。ひとまず、一番近いお部屋へお運びしますよ」 「ああ、どうも、ご親切に」 私は、コンクリートのベランダに着地していた新しいお客様を近くのガザニアの葉に乗せると、そのまま別れました。
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