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名はリャート・グラディオン。
キャンプファイヤーの炎みたいに真っ赤な髪。
少々ツリ上がった瞳で、王子にしては悪党面。
どうした?
正統派王子だろう、貴様。
正統派なのに、悪党面って、どうした、貴様。
制作会社にケンカでも売ったのか?
いや、あたしは好きだぞ?
なかなかの好みだぞ?
甘いマスクより、好物だ。
だから従者に少し邪険にされたくらいで、ヘコたれるな。
のの字を地面に書き出した王子を放って、その従者があたしの前へ。
「あんた」
「あんたではない。我が名はマツリ。よろしくリリ嬢」
「「「「!!??」」」」
のの字を書いていた王子。
インテリ眼鏡。
ゴリラ。
そして、男装の美女が一斉にこっちを見る。
「ななななな……な!?」
怖っ!!
さすがに四人に睨まれるのは、怖いわっ!!
「リリが女だって、見抜いたぞ、コイツ!!」
まだコイツ言うか、王子よ。
てか、見抜いてはいない、知っているだけだ。
「しかも名前まで……」
クイッと眼鏡の縁を押し上げるインテリ眼鏡。
下手すれば、こっちの方が王子みたいな容姿だ。
銀髪に青い瞳という。
因みに王子は紫の瞳だ。
名は……
「あんたのことも知ってるよ、ゾイド」
「!!??」
「へぇ……。何者だ?嬢ちゃん」
笑ってるけど、目は笑ってないゴリラ。
まさしく王子を守る戦士。
「あたしが何者かって?ガラ」
「俺の名まで……」
ちょっと格好つけてみたけどっっ。
"この世界"だと、あたしは何者なわけ!?
何者!?
「職業は??」
男装金髪美女、リリ嬢に聞かれる。
…………。
「「「「…………」」」」
職業!!??
え、何コレ!?
職質!!??
職質された!!??
ん??
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