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「いだだだだだっ!!??離せぇえええええっ!!」 「あたしの名前はコイツではないわぁああっ!!」 「知ってる!!知ってるぞ、マツリ!!だからリンをっっ王子を離せっ!!」 「マツリさんっ!!リンがっ、王子がハゲるっ!!」 「……」 「ちょっ、リリッ!!笑ってねぇで助けろっ!!」 「お前の罪をハゲて詫びろーっ!!」 「なんでだよっ!!」 罪ってなんだっ!?とあたしに髪を鷲掴みにされ喚く王子。 それでもあたしは王子の毛を離さない。 それを必死に剥がしにかかる…… ゴリラッ!! ゴリラの力が強いがっっ!! 離してなるものかーーっ!! 「いだだだだだっーーーっ!!ハーゲーるぅうっ!?」 「「「「!!??」」」」 急に重々しい音楽が鳴り出した。 これはっっ!! 「危ねぇっ!!」 「のあっ!?」 突然、王子が真剣な表情で覆い被さってくる。 その上を錆びた大剣が通り過ぎていく。 うぉおおおっ!? あのままあそこに頭があったら首と体が離れていた!! いつの間にか戦闘が始まっている。 ……もしかして王子、庇ってくれた……のか? 「……マツリ!!下がってろっ!!」 おおっ!! コイツからマツリになった!! マツリのテンションが130上がった!! あたしがウキウキになってる間に、リャート・ゾイド・ガラ・リリ嬢があたしを庇うように前へ。 ほぉおおおおっ!! これはあたし姫みたいっって!! ……。 ……。 王子、ごめん。 数秒遅れて 「いだぁああああああっ!?ちょっハゲてね!?後ろハゲてね!?」 「「「「……………………」」」」 「なんで黙る!?」 「「「「……………………」」」」 「視線を逸らすなぁぁぁぁっ!!」 あたしの手には王子の真っ赤な髪の毛が大量に握られていた。 こっこれ、回復魔法でなっ……治るかな……??
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