02.

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02.

 翌日。登校した陸斗はなんとなく櫂に話しかけにくい。言いたいことも聞きたいこともいっぱいある。  だからこそ、親友の櫂と絶交なんかしている場合じゃない。遠い街へ引っ越してしまうのはもう数日後。だから仲直りするしかない。  そう考える一方で、絶交なんて言ってしまった自分を櫂は許してくれるだろうか。そんな不安が陸斗の胸に残った。そして突然の転校に驚き、そして傷ついて絶交まで告げた自分がなんだかひどく間違ったことをしてしまったようにも思えた。  けど、櫂の急な転校の話にやっぱりどこか怒っているし、裏切られたかのような、そんな気持ちさえ抱いてしまうのも正直なところだ。それになにしろ櫂に絶交を言い渡したのはほかでもない陸斗自身。出口のない迷路に迷い込んだ気分だ。  その日の学校で、陸斗はときどき櫂の視線を感じるときもあった。けど、陸斗が櫂の方に顔を向けたときには、すでに櫂の顔は別の方を向いていた。同じクラスの友達と話していたり、笑っていたり。  そのたびに陸斗の胸は嵐の海に浮かぶ小舟のように大きく揺れた。今にも深くて暗い海に転覆し、沈んでいくみたいな気分に陥った。けどその一方で、意地でも自分から櫂に声をかけてたまるかという気分も起こった。自分でも自分がイヤな奴だと思いながら。
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