同郷の好青年

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「銃乱射事件や殺傷事件、レイプ被害による堕胎、……多いな」 アメリカ最大の学園都市ボストンと違い、煌びやかなカジノや豪華なショーなどがあるラスベガスは毎日負傷した患者が闇医院を訪れる。 「どこが悪い……Dr.瀬川!!」 「小宮Dr.?カジノで遊んでいたら右足太腿を撃たれた。治療を頼む」 Dr.瀬川は自分で止血をし、闇医院まで歩いてきたらしい。 全身麻酔をかけ、弾丸を取り除く。 創部感染を起こさないよう抗生剤の点滴も入れた。 「呼吸が苦しそうね。もしかしたら……」 コロナウイルスが大流行しているから、一応検査してみた。 すぐに陽性反応が出た。 ぐっすり眠ってる瀬川Dr.を起こすのもなと思い、私の勤務が終わるまでしばらく寝かせておく事にした。 「Dr.瀬川、コロナにも感染しています。しばらく安静にしていてください。自宅はどちらですか?送ります」 闇医院を閉める時間になり、ベッドで寝かせていたDr.瀬川に声をかけた。
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