プロローグ

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プロローグ

大学時代から付き合っていた大好きだった恋人。 卒業したら結婚しようって約束してた。 同じ会社に運良く入社し、仕事に慣れた頃合いにプロポーズされて結婚となるはずだった。 「一花、ごめん。打ち上げの飲み会で酔った勢いで吉永玲奈とやってしまって……妊娠させてしまった。責任とって結婚しないといけない。だから、別れてくれ」 同じチームの同期の女の子とワンナイトして今流行りのデキ婚をするらしい。 結婚は勢いでここ最近、職場で立て続けに結婚の報告を受け、まさかのおめでた婚で羨ましいと思っていた。 まさか、5年間付き合っている恋人が私以外の女性とデキ婚するとは思ってもいなかった。 私と彼の交際はオープンにしていて、同期や上司だけでなくサプライヤーやクライアントも知っている。 「でさ、仕事やりづらくなるから、辞めてくれないかな」 「ハッ!?」 ホワイト企業の笑天グループに入社したのに辞める人、いないと思う。 「浮気してデキ婚するんだから、誠治と吉永玲奈さんが辞めるべきでしょ!!別れるのは受け入れる。お幸せに」 普段行かないレストランでコース料理を食べ終わったタイミングで別れを告げられ、天国から地獄に突き落とされた。 しかも、退職を求めてくるなんて、最低過ぎる。 哀しみから憎しみに変わり、グラスの水をぶっかけたくなるぐらい腹が立った。
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