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付き合うとかデートとか言わんでも。
ただ美味しいコーヒー飲んだり。法学の話しよおや。
人生は現在進行形やねん。良えも悪いも解らん。
いつも『生き方次第や』て思うてやって行くだけや。
せやから。一緒に、中身詰めるン試してみんか?」
いつの間にか。
痛いくらい手を強く握られ。
顔が間近に迫っていて。
五十嵐の眼力の強さに、孝一の思考は真っ白になる。
「とりあえずっ。
茶飲みトモダチからお願いしまっす!」
「は、はい」
ほとんど勢いに押された反射的な返事だったけれど。
焙煎を失敗した豆だって。
お湯の温度を上げたり。
フィルターを二重にしたり。
一晩冷蔵庫で寝かせたり。
淹れ方を考えて工夫すれば。
思い掛けない味わいにすることが出来るのだから。
誰かと一緒なら、工夫だって2倍。
予想もしていなかった人生になるかも知れない。
孝一の心臓が鈴のように小さく震えて。熱くなった。
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