中毒性

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「ああ…藤次さん、藤次さん…」 「絢音…絢音好きや…せやから、もっと名前、呼んで…」 「と、藤次さん…あっ!」  ーー草木の眠る秋の夜長。  月明かりの仄かな光を頼りに、ベッドの中で互いの身体を密着させ行為に耽る(とうじ)(あやね)。  密着した性器がピストンする度に、湿り気を帯びた水音と、絢音の切なくも甘い吐息と、藤次のくぐもった息遣いが、狭い六畳の寝室に響く。 「(…ああ、藤次さんの、凄く硬くて逞しくて、素敵。私もう、何度もイカされてる。でも、明日もお仕事だし、そろそろ終わらないと…けど、)」 「(ああ。今日も絢音ん中最高。柔らかいのにぴったり俺のに吸い付いて締め付けてきて、たまらん。そやし、そろそろ出したい。けど、)」 「藤次さん…」 「絢音…」  互いに見つめ合い、キスをして、抱き合いながら加速する行為の中で思うは一つ。  ーけど、    ーこのまま、この甘ったるい媚薬(セックス)に、  絆され、蕩け、  蝕まれ、  何もかも溶けて、永遠(とわ)に、  この人と、  一つでいたい…ー    と…
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