『死』の宣告が誕生日プレゼント

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『死』の宣告が誕生日プレゼント

病気になってしまったり、苦しんでいる人は楽になりたいと思う時が一度はある。 ならば死ぬ日を自ら仮設定すれば、殺される訳なく周りに迷惑もかけずに死ぬ事ができる。 『災い』として処理する事ができる。 死ぬと分かったら、それまでは元気に過ごせるのではないか。 きっと言われた通り丸一年後に死ぬ事は無いだろう。 それより長生きできるか、その前に急変するか。 その時に面白いドラマがあれば観てから死ぬ。 無ければ時間だけが過ぎていく日々。 私って本当にこの世に生きているのかな。 もしかしてもう、ニセモノの自分になる準備が始まっているのではないか。 何かが身体に出入りしているのではないだろうか。 そしてどんどん自分では無くなっていく。 そんな準備が着々と進んでるのではないだろうか。 病院の窓から外を見たら満月だった。 日時が変わった。 そういえば今日、私誕生日だ。 涙が流れた。 「私らしい…」
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