死ぬ時を知ったら心が楽になった

1/1
前へ
/5ページ
次へ

死ぬ時を知ったら心が楽になった

「来年の桜は見られないでしょう」と、医者に言われた4月16日。39歳の誕生日だった。 最近、やたらと咳がでるな…とは思っていたけど仕事が忙しくて中々病院に行けなかった。 暦通り働いている私は、上司から 「ちゃんと病院に行ってこい」と促されて初めて行った。 でも、手遅れだった。 検査をすれば必ず不正脈が出て再検査になるが、結局は正常の範囲内だった。 今回もそうだと思ってたけど、本当に私の心臓は元気を失っていた。 普通なら泣き叫び『どうして自分なのだろう』などと思うのだろう。 だが私は一癖ある人間だ。 そんな事を言われて涙も出なければ悲しくもなかった。 空を見て光を浴びながら心底『笑顔』になった。 私は飽きていたんだ。 『生きることに』 毎日、差別やモラハラのキツイ言葉を浴び、兄妹とは比較され、居場所が分からなくなっていた。 「あと1年か…ふふ、何をしようかなッ🎵」 自分から死ぬのではない。に勝手に人生終われるのだ。 そう思ったら全てから解放された気分になった。 私の命の期限はあと12カ月。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加