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初めに白髪頭にメガネと白衣の、如何にも医者といった風情の老爺が僕の顔を覗き込んでは、目尻を下げて嬉しそうに頷き、その後は職場の同僚と思われる者達が次々と訪れた。
未だ記憶の最適化が終わらず、あやふやな受け答えしかできない僕を、いずれ元に戻るだろうと励ましてくれた。
大小問わず様々な黒い靄を抱える者達が、親し気に顔を向けてくれた。
元に戻ることなど、もう二度とないというのに。
僕の名前は最初が須田半兵衛、次が大貴族の血縁シュテファン、その後は傭兵スヴァン、商人コンラート、そしてオルマンドベル族の勇士セルハンだった。
そして〝俺〟。この肉体の元の持ち主である俺の名前は、奇遇にもスヴァンテ・スヴァンベリだという。
本来であれば、また生を受けられたことを喜ぶべきなのだろう。
だが、僕は困惑していた。
何に?
その魂の在り様に。
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