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「ゴムボールみたいだからね。体に馴染んで子宮みたいに膨らんでくだけ」 「産み方は?」 勢い余ってアキの顔が少し赤らむ。 「陣痛みたいに波がくるから分かるよ。医者にかかることも、病院で産む必要もない。心配なら経験者のSNS見てみて。育てる人、増えてきてるから」 「ほとんど危険はないと思っていいのかな?」 周りに直接はいなくても、知人程度の噂で耳にはする。悪い話は流れてこないから安全なんだろう。 「そうだね。ただ産む側の精神状態があまりにもネガティブになってパートナーを信用できなくなると正常に産まれてこない可能性はあるから、互いにケアは怠りなくね」 アキと顔を見合わせる。 忍野八海(おしのはっかい)みたいに澄んだ瞳に俺が映ってる。 俺の瞳の中にもアキがいる。 互いの心のほとんどを互いが占めていて、底の底まで透かしても、その愛は疑いようがない。 二人同時に頷いて、天使の卵を手に取った。
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