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渋柿勇気さんが十月二日に亡くなられました。つきましては、今月の二十日にお別れ会を開きたいと思いますので、下記の場所へお集まりください。
××市××町301-1 ×××会館
そのような文面の連絡を僕が受けたのは、二十時を少し回った時だった。連絡をくれた相手は中学時代の同級生でクラスを取りまとめていた存在の男だった。僕は彼とは大して仲良くなかったが、その持ち前の使命感から僕にも連絡をくれたのだろう。彼でなければ、渋柿勇気の訃報の連絡は誰からも来なかったはずだ。断言してもいい。
僕は短いメールの文面を三回読み返してから、椅子にもたれかかり宙を仰いだ。亡くなったのが渋柿勇気という時点でそのお別れ会に自分が出席することはもう決まっているも同然なのに、誰に見せるでもなくそうやって決めきれない振りをしていた。
享年22歳。早すぎる死とも言えるかもしれないけれど、多分、渋柿勇気に言わせてみれば長生きした方なんだと思う。
しばらくの間そうしてしたあと、あいつはやっと自殺したんだな、と僕は思った。
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