てんし

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 次の日、朝起きたら窓の外はどんよりと曇っていた。重い頭を抱えて、這うようにベッドから出る。昨晩遅い時間にカップラーメンを食べたからか、胃が重くてムカムカする。顔を洗って歯を磨き、コーヒーを淹れながらスマホを手に取った。どんなにしんどくても、朝一でSNSをチェックするのが日課になっている。そうしないと、なんだか世間に取り残された気がして、落ち着かないのだ。  どんどんタイムラインをスクロールしていく。いつも通りの、見知らぬ人々の絶え間ない呟き。思い立って、昨日の投稿主の名前を検索してみた。あっさりとそのアカウントは見つかった。件の投稿を表示して、「え」と声が出た。いいねの数、15540件。「天使を見た」というそれだけの文章に、一晩で15000人以上の人々が反応している。 「え、どゆこと?」  眉を顰めて呟く。何か、特定の界隈の人々しか知らないイベントでもあるんだろうか。どんな界隈かは知らないけど。それにしても、多すぎやしない?念のため、「天使を見た」で検索をかけてみたけれど、この投稿以外特に当てはまるものは見つからない。首をひねりながらも、仕事に遅刻する訳にはいかないのでそのまま家を出た。
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