恋に落ちられる瞬間

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郁さんと亜希の呼び方から、その人が瀬那ありすさんだということがわかる。 名前だけは聞いてた。 高倉さんの彼女で、御曹司の片想いの相手。 なるほど、2人の御曹司を虜にするだけのことはある。めっちゃ、キレイなひと。 しかも、見るからに亜希も瀬那さんにデレデレだ。 「へへっ、やっと高倉さん大阪戻ったんで、瀬那さんとゆっくり飲めますね!」 「なーに可愛いコ連れて来ててそんなこと言っちゃってんの?私はいいからさっさと彼女んとこ戻んな」 おー、見た目と口調のギャップ。 そして、郁さんが「ハイいつものお待たせー」と持ってきたのは、大生ジョッキ。 これは……男からしたらたまんないよね。 「彼女なんかじゃないですよー!こいつ同期です。秘書課配属なんでずっと研修で大阪いたんですよ」 「あー、もしかしてあなたが璃珠?」 「えっ、あ、はい」 なんでわたしのこと知ってるんだ? 「未歩!志水未歩。あれ、私の親友」 「あー、なるほど!それで」 「やっば。ほんと声も見た目もかーわいいねぇ」 「はは?」 「ちょっと瀬那さーん、俺!俺と話しましょうよ?璃珠はそれ食って飲んだら帰るんだもんな?早く帰りたいんだもんな?」 「あーね、」 ハイハイ、邪魔者は消えますよーー なんなの自分から誘っといて。 まあ、相談ごともだいたい見当がついたけどね。
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