お好みロボ

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裕太達がいなくなって一ヶ月が過ぎた頃だった。 インターフォンが鳴った。 訝しげに玄関を開けると、目の前に見慣れた係の女性とガタイのいい男がいた。 「満了の日を迎えました」 係の女性は夫のサインがしてある契約書を見せてきた。契約日はちょうど一年前のお好みロボが発売してすぐ、あの事故の日から二ヶ月前だった。 抵抗する気はなかったが、ガタイのいい男がスマホのようなものを操作すると、全身から力が抜けその場に崩れ落ちた。 ガタイのいい男に担がれながら、また家族三人一緒になれると思うと目から涙が自然と流れ落ちた。
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