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 そんなことを考えながら、車を運転していると見覚えのある場所に着いた。  「こっちだ」  後藤さんに案内されながら、調査する場所に向かうと、どこか見たことのある風景が広がっていた。  何もない、殺風景で無駄に広い部屋。よほど掃除をしていないのか、部屋の隅にほこりがたまっている。  「ここ一回来たことがある気がします」 そう言ったと同時に、 「やっと気付いたか?まぬけが」 と背後から声が聞こえた。どこかでこの声、聞いたことがある。  この声は・・・、佐藤涼太だ。先程の弱々しい声とはかなり話し方が違うので、一瞬誰だか分からなかった。 「お前ら・・・、グルだったのか!」 「まさか、長谷部と同じ手にかかるとは、なぁ・・・」  後藤が声色を変えてこちらに向かってくる。そして、その手にはあの日と同じ銃が握られている。   「お前が・・・長谷部を()ったのか!」  俺もポケットの中から銃をとりだし素早く後藤と佐藤を撃った。  弾は当たったはずだ、そんなことを考えるうちに目の前に弾丸が迫ってきていた。  復讐は果たした。
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