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■一緒に行こう!
ミキちゃんは本を閉じて立ち上がった。
急いで家に戻った。
「翔太、翔太!」
「なに」
「買い物 一緒に行こう!」
「えー」
「ラーメン いっぱいあって、どれが食べたいのかわかんないから、一緒に行こう!」
「どれでもいいよー」
「それにおやつだって おかずだって、あなたの好みを聞いておいた方がママは助かるんだから。行こう、行こう!」
スーパーのカップラーメン売り場で、ズラリと積み上げられているラーメンを見上げて、翔太の頬が少し赤みを帯びているようだった。
翔太はおずおずと1個のカップラーメンをかごに入れた。
「お、激辛ラーメン だ!よし、ママもこれに挑戦してみよう!」
激辛ラーメンを1個 追加した。
「いいの…」
「あはは、実はママも食べてみたいと思ってたのよ」
翔太は少し恥ずかしそうに 少し嬉しそうにミキちゃんの顔を見上げて ほんのり 笑った!
ああ、翔太が嬉しそうだ!
「あのねママ…本当はもっと食べてみたいと思ってるものがあるんだ」
「何々!」
息子の顔じっと見て尋ねた。
「あのね…牛丼ってあるでしょ?あれ、食べてみたいんだ…」
「あ、牛丼かぁ!よくコマーシャルやってるよね!ママも食べてみたい!」
息子の顔が にっこり 輝いた。
「じゃあ ラーメンは明日にして、今日のお昼は 牛丼にしよう!」
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