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■ファミレス巡り
それからは、買い物に一緒に行くようになった。
サラダバーがある店、ソフトクリームやおしるこを自分で作れる店、色んな店があり、選んだり作ったりを楽しみながらできるようになっていった。
何が食べたいか、何が欲しいか、何がしたいか、ハッキリと言うようになってきた。
裕一から電話がかかってくると、どんな店に行って、どんなものを食べたか、トッピングには何を選んだか、そんな話しをするようになった。
会話のある日々は何て楽しいのだろう。
翔太の笑顔を見られるのは、本当に嬉しかった。
次に裕一から電話がかかってきたとき、
「私ね、学校に行くことを目標にするのを止めたの」
ミキちゃんは裕一に『不登校児の楽しい食卓』の話しをした。
「翔太が笑顔でいてくれることの方が、ずっと大切だものね」
「笑顔を目標にするって、大切なことだね。勉強になるよ」
「笑顔のない暮らしって、もういや!マジ病気になっちゃいそうだった」
「ふーん、その本、僕も取り寄せて、読んでみるよ」
「あ、私が買って送るわ。読んでくれたら嬉しいな。強力な味方を得た気分だわ!」
「いやいや、僕が色々教えてもらわなくちゃだよ」
「今度帰ってきたときには、翔太がソフトクリームを作ってくれるかもよ」
この前は、裕一が帰ってくるのを恐れていたけれど、今は待ち遠しくて仕方が無い。
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