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■翔太誕生
ミキちゃんは、中学で同級だった裕一と結婚し、翌年には長男翔太が生まれた。
ミキちゃんは、高校を卒業してすぐに老人ホームに就職し、一生懸命勉強もして、すでにケアマネージャーの資格を取得していた。
裕一は福祉器具、補装具制作の仕事をしている。彼も義肢装具士という資格も取得しており、なかなかの努力家である。
ミキちゃんが勤める老人ホームに仕事のためにやってきて、再会したのがきっかけで結婚することになったのだ。
翔太が生まれてからは目の回るような忙しい日々だった。
交代で保育園に送迎したり、休みの日には遊園地にも行ったし、公園でボール投げもした。
小学校に入学したときには、裕一もミキちゃんもおめかしして、写真館で記念写真を撮った。
裕一はハーモニカを吹くのが上手かった。翔太にはその資質が遺伝したらしく、学校で習う歌を、よく二人で合奏していた。
ミキちゃんは二人の合奏を聴くのが大好きだった。
風邪をひいたり、インフルエンザに感染したり、色んな事はあったけれど、楽しい幸せな毎日だった。
翔太が5年生になったとき、一家にちょっとした変化が訪れた。
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