■翔太は中学生になった

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■翔太は中学生になった

中学の入学式の日、桜の木の下で、ちょっと照れたような顔をしている。 長ズボンをはいた翔太は、急にお兄さんぽく見える。 同じクラスには 2、3人 仲の良い友達もいて、喜んでいた。 クラブ活動では、吹奏楽部に入りたいなと言っていた。 クラブ活動はいつからはじまるのだろうか。 夕食後には、自室でよくハーモニカを吹いていた。 私との会話が減ってしまった。 年頃のせいだろうか。 裕一とは、よく日曜日の朝に電話で話していた。 この時間だとヒューストンは土曜日の夜になる。 小学校のころは、翔太も電話で話したがって、学校のことや友だちのことなど沢山喋っていた。もちろん裕一も翔太と話すのを楽しみにしていた。 けれど、中学になってからは、あまり電話に出なくなっていた。 「翔太に嫌われちゃったのかなぁ」 「それはないわよ!自慢のパパなんだもの。年頃のせいじゃないかしら。近頃は私ともあまり話さなくなっているの」 「そうか……」 裕一は寂しそうだった。 年頃のせいだったらよかったのだけど……。
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